医療法人 滋誠会 山根病院

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慢性合併症~糖尿病~

慢性合併症は全身のあらゆるところに起きますが、特に細小血管症(細い血管)に分類される網膜症・腎症・神経障害と、大血管症(動脈)に分類される脳梗塞・心筋梗塞・狭心症・足病変があります。

慢性合併症イメージ慢性合併症イメージ2

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糖尿病網膜剥離

糖尿病網膜症は、目の奥にある網膜におこる変化です。
網膜の出血は視力低下を引き起こします。増殖期に至るまで自覚症状が少ないことが多いため早期発見・早期治療のためには眼科受診をし眼底検査などの定期的検診が必要です。

治療

厳重な血糖コントロールが中心となります。しかし急激に血糖値を下げると眼底出血を悪化させる恐れがあるので、血糖コントロールは慎重に行います。また、状態に応じて、眼科で光凝固療法や硝子体切除の手術を行います。

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糖尿病性腎炎

糖尿病性腎症は進行すると腎不全となり血液透析を必要とします。腎症も他の合併症と同様に進行するまで自覚症状がありません。
症状が進行すると浮腫(むくみ)が足や全身にでます。また、浮腫が強くなると体動時に息切れや胸苦しさが出現します。食欲不振、腹満感も腹水や消化管の浮腫による症状です。さらに悪化すると、貧血による顔色不良や疲労感、嘔気・嘔吐など尿毒症の症状も出現します。そして血液透析を必要とします。

治療

糖尿病性腎症は病気の進行により5期に分類されます。

生活一般 治療・食事
生活のポイント

第1期
(腎症前期)

普通生活
  • 糖尿病食を基本とし、血糖コントロールに努める。
  • 蛋白質の過剰摂取は好ましくない。

第2期
(早期腎症期)

普通生活
  • 糖尿病食を基本とし、厳格な血糖コントロールに努める。
  • 降圧治療(血圧管理)

第3期A
(顕性腎症前期)

普通生活
  • 厳格な血糖コントロールに努める。
  • 降圧治療(血圧管理)
  • 蛋白質制限食

第3期B
(顕性腎症後期)

軽度制限
疲労の残らない生活
  • 血糖コントロール
  • 降圧治療・蛋白質制限食
  • 浮腫(むくみ)程度、心不全の有無から水分を適宜制限する。

第4期
(腎不全期)

制限
  • 血糖コントロール・降圧治療
  • 低蛋白質食(透析療法導入)
  • 浮腫(むくみ)程度、心不全の有無から水分を適宜制限する。

第5期
(透析療法期)

軽度制限
疲労の残らない範囲の生活
  • 血糖コントロール・降圧治療
  • 透析療法または腎移植
  • 水分制限

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糖尿病性神経障害

糖尿病で高血糖が続くと、神経細胞の中にソルビトールという物質が溜まり(ポリオール代謝異常)やがて神経障害が起こります。また、細い血管(細小血管)の血液の流れが悪くなり、神経細胞に栄養や酸素が運ばれないため神経障害が起こります。

治療

血糖のコントロールが中心となります。
その他、状態に合わせて薬剤や消炎鎮痛剤の内服をする場合もあります。
神経障害が進行している場合は治療効果が出ない場合や血統コントロールにより症状が悪化する場合があります。

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大血管障害(動脈硬化)

動脈は全身に血液を運ぶ管(血管)です。動脈硬化は、血管の壁が硬くなり弾力性がなくなります。動脈硬化が進むと心筋梗塞・脳梗塞などを起こしやすくなります。
動脈硬化は、加齢と共に進みカロリーや脂肪の多い食事摂取・運動不足などの生活習慣が関係しています。また、高血糖・高血圧・高脂血症(コレステロール値が高い)・肥満・喫煙も大きく影響しています。

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糖尿病の足病変

糖尿病になると神経障害・末梢循環障害・感染などが原因で、足病変として爪の変形・爪や皮膚の白癬症(水虫)・爪周囲の炎症・足や足趾(足の指)の変形・胼胝(たこ)などが起こりやすくなります。また、進行すると潰瘍・壊死(腐る)になり足を切断する場合もあります。

予防と治療

足を観察することで適切な処置とケアができます。

白癬症
(水虫)

入浴・足浴で足を清潔にし、乾燥させます。

状態により外用薬・内服薬で治療します。
胼胝
(たこ)

状態に応じて削ります。

スピール膏やイボコロリは周囲の皮膚も影響を受けるので効果的ではありません。
厚く硬い爪・変形した爪を切ります。削る場合もあります。
血行不良 状態に応じてフットバス(足浴)・フットマッサージを行います。

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