糖尿病の治療
糖尿病は一生付き合っていかなければならない病気です。
					  上手に付き合っていくためには、糖尿病について正しい知識を持ち自己管理していくことが重要です。
糖尿病の治療は、血糖値のコントロールが中心となります。
その手段として食事療法・運動療法・薬物療法の三つが主なものになります。
食事療法
食事療法は糖尿病の基本です。
- 適正なエネルギー量の食事をとる

 - 栄養素のバランスがよい食事をとる
 - 規則的な食事習慣
 
運動療法
運動は次のような効果があります。
- ブドウ糖・脂肪酸の利用が促進され血糖が低下します。
 - インスリン抵抗性(効き)が改善されます。
 - エネルギー摂取量と消費量のバランスをよくして減量効果があります。
 - 加齢や運動不足による筋力低下を防ぎます。

 - 高血圧・高脂血症の改善につながります。
 - 心臓や肺の機能を良くします。
 - 運動能力が上がります。
 - 爽快感・気分転換など生活の質を高める効果があります。
 
運動療法は、禁止あるいは制限した方がよい場合があるので、必ず主治医の指示に従ってください。
薬物療法
薬物療法には経口薬物療法とインスリン療法があります。
経口薬物療法
食事療法・運動療法を行っていても血糖コントロールが不十分な時に内服薬による治療を併せて開始します。
					  インスリンと併用する場合もあります。
インスリン療法
インスリンは膵臓のβ細胞から分泌され、血糖を下げる唯一
のホルモンです。1型糖尿病の場合には絶対的にインスリン療法が必要になります。
					  2型糖尿病では食事療法・運動療法・糖尿病治療薬の服用を行っても血糖コントロールが不十分な場合にはインスリン療法を行います。
低血糖
低血糖はインスリン製剤および経口血糖降下薬を使用中に起こりうる頻度の高い緊急事態です。低血糖と感じたらすぐに対処が必要です。我慢しないでください。
発汗・不安・動悸・頻脈・手指振戦(ふるえ)・顔面蒼白・頭痛・目のかすみ・空腹感・眠気・生あくび・意識障害・異常行動・けいれんなど。
- むやみに自己判断でインスリンの量を調節しないでください。
 - 外出時にはブドウ糖または砂糖、糖尿病健康手帳を携帯しましょう。
 - 低血糖が疑われるときには、血糖自己測定をしましょう。
 - 血糖自己測定で、低血糖が確認できたら直ちにブドウ糖または砂糖10~20g摂りましょう。ブドウ糖を含むジュースでもよいです。15分以内に回復しない場合は繰り返し摂取します。
 - 症状がおさまっても次の食事まで1時間以上ある場合は、1~2単位の炭水化物を摂取してください。(米飯・パン・ビスケットなど)
 - 意識障害や昏睡など重篤な低血糖で経口摂取が困難な場合は至急病院へ行く必要があります。
 
※物が飲み込めない状態で無理に口に入れると誤飲や窒息の原因となります。



